《MUMEI》

聖龍の仕掛けた1・5ディフェンスを前に、


海南フィールダー陣はそれぞれがその突破口を見いだそうと試行錯誤する。



(そう来たか…)



だが、


多くの攻撃の起点となる古賀を潰されたことはやはり大きく、


通用するであろうプレーはほんの数通りしかないことも選手たちは気付いていた。


例えそのプレーが通ったとしても、


相手を撹乱させるまでには至らず、


4点差という点差を跳ね返すだけの策がひねり出せるはずもなかった。


そんな状況の中で千葉は、



(まぁ…
最初っからそのつもりだけどな…)



静かに…静かに…


この先の展開を1人で決めていた。



(割合は7:3〜8:2ってとこかな…)



そして見いだしたわずかな可能性にしがみ付こうと、



ヒュッ…!!



彼は勝負に出る。

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