《MUMEI》

「モジャッ!!!!!!」



怒鳴る桜井。



「うるせぇッ!!!!!」



ヒュッ…!!



ボールを出す奥本。



(俺だって好きで決められてるわけじゃね〜よ!!)



「ピッ!!」



ボールは聖龍。



「返すぞッ!!」



試合のテンポが早まる。


聖龍の攻撃スピードを上げているのは司令塔である桜井。


だがそれは海南の猛追を恐れているわけではなく、


ただ単純に、


千葉のプレーに感化されているがゆえの行動。


聖龍は数回のパス回しの後、


仕掛けたのは、



(俺に行かせろッ!!)



もちろん桜井。



(抜かせるかッ!!)



身構える古賀。



キュッ…



(おめ〜じゃ…)



ダムッ… キュキュッ!!



(役不足なんだよ!!)



バスッ…!!



スピードを活かしたフェイク、


そして突破から、


桜井のシュートが決まる。



22対18。



「ナイッシューッ!!!!!!」



点差は4。



「あれじゃ抜かれるに決まってんだろ!!


無理に1人で抑えようとしないでコース誘え!!


間で抑えれるディフェンスしろ!!」














(抜かれるに決まってる…?


バカ言えよ…


向こうの方が年上とはいえ同じ高校生じゃね〜か…)












「古賀ッ!!!!!!」



「はっ…」



「急げバカ!!」



「わ…わかってますよ!!」

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