《MUMEI》 キュッ…!! ラインを越えると同時に、 すぐに仕掛ける古賀。 だが、 遅れたスタート。 ディフェンスが戻る時間は十分にあった。 意表をついたわけでもない単純な攻撃が、 キュッ…!! 阿久津に通用するわけもなく、 (あのバカ…) 「くっ…!!」 古賀の攻撃はまたも止められる。 「ピッ!!」 審判の笛が鳴り、 プレーが止まる。 ボールは海南。 「勝手してんじゃね〜よ!!」 落胆の表情を浮かべる古賀に、 未來が声をあげる。 「てめぇ状況わかってんのかッ!!」 「…すません。」 小さな声で謝る古賀。 「はぁ…はぁ…」 後半開始からまだ時間も浅いというのに、 千葉の疲労は見え始め、 黙ったままスコアを見つめた。 「すいませんでした…」 千葉に近づき、 謝る古賀。 「…ドンマイ。」 千葉はそう言い、 センターの位置へと移動。 「あの…ここは俺が…」 「ダメだ。雅也に任せろ。」 古賀の言葉を遮り、 右45の選手が古賀を止める。 「壁に入れ。」 「…うす。」 7メートルラインからのスタート。 海南の選択するプレーは、 (それしかね〜わな。) 千葉のロング。 前へ |次へ |
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