《MUMEI》

「行くぞッ!!」



「おぅッ!!!!!」



ラインを越える聖龍フィールダー陣。


対する海南は当たりを弱めず、


強気で前線へと出る。



キュキュッ!!



(まずは印象付け…
俺を含めて上3人はいつでも抜けるってことをわからせる必要がある。)



ヒュッ…!!



ボールは右45鈴木へ。



(抜けるなら気を使う必要はない。


ワンプレーワンプレーで味方全員がボールを触らなきゃいけないなんてことはない。


ここで時間を使うメリットはね〜ぞ。)



ダッ!!



「んッ…!!」



(いいね健也…


状況をわかってる。


あんだけ動き回ってる千葉に下半身のダメージがないわけがない。


もうお前の突破を止める力も…)



バスッ!!



(残ってないだろ。)



「ナイッシューッ!!!!!!」



鈴木の突破からシュートが決まり、



23対20。



「はぁ…はぁ…わり。」



「謝る暇なんかね〜だろ!!
リスタート仕掛けんぞッ!!」



ボールは海南。



パチンッ!!



ハイタッチを交わし、


ディフェンスに着く桜井と鈴木。


そこに言葉はなかった。



「ピッ!!」



仕掛ける海南。


が、


センター古賀に阿久津が着き、


勢いは殺される。



(何だよちくしょう…)



ヒュッ!!



古賀は大人しくパスを回す。



(こんなとこでつまずいてたら桜井との勝負ができね〜じゃんよ…)

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