《MUMEI》

「…というわけで、この【さりとも】は、【さり】+【とも】で、そうは言っても…と訳するように」

部屋に響く恭司の声

「ちなみに、前の行にある【されば】は、【ば】の直前が已然形だが、【さり】も【去る】も、已然形が【され】だから、ここでは文脈で判断する。
已然形 +【ば】 = 〜したら、したので、と訳するから、
@「去ったら、意見を求めた」「去るので、意見を求めた」
A「そうだから、意見を求めた」「そうなので、意見をもとめた」
今回は娘の四の君が、母北の方の元を【去る前】に意見を求めてるので、@は×。
答えはAだ」


「次、問二。これは所謂マルチ紛いの一例。ニュースキング社、アムウェイブ社が有名な例だな。
take in(cheat)で騙す、take overで引き継ぐ(succeed to)だ。
理性はreason、誠実な、はsincere。日常の雑事はdaily affairsと訳する。
〜に敢えて立ち寄る、はdere to drop in〜。dereがキーワードだ。
どこにでも有りそうな、はordinaryが使える。originalとは全然違うから気をつけたまえ」


「問三。誰だ、振り子に等時性があるだなんて書いた奴は?
振り子の周期Τ = 4√(l/g)・K(sin(θ/2))、
K(sin(θ/2)) = ∫[0→π/2] dφ / √(1 - sin^2(θ/2)sin^(φ))
だろ?
θが180゚なんだから、K(sin(θ/2)) = K(1) = ∫[0→π/2] dφ / cosφ、
これはlog|tan(π/2)|だから無限大になるじゃないか。よって、理論上は真上にある振り子の球は、いつまでたっても動かないんだ」

「次、周知の事実だがQ' = Q/CV、t' = t/RCと置くことで無次元化できる。
キルヒホッフの式よりV = IR + Q/C
I = ΔQ/ΔtよりV = RΔQ/Δt + Q/C⇔1 = RΔQ/VΔt + Q/CV
これを無次元化して、1 = R・CVΔQ'/V・RCΔt' + Q' = ΔQ'/Δt' + Q'


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