《MUMEI》

しばらく、雅俊はサプリの言葉の意味をつかみかねて固まっていた。








―ジェイオルは、俺を見つけただけでなく、他にも学校内にスレシルがいることに気付いていた。よな…

って事を感知出来るって、サプリの話を聞く限りでは、もの凄い事なんじゃないか?






「そのスレシルは何かあったんだろう。
滅多な事が無い限り、お偉いさんが
スレシル一人の行動を監視するような事はない。

のにも関わらず、『行方』を探されている。」

「原因は?」

「機密事項だと。」

「それで保護しろ。って…」

「まったく迷惑な話だ。」

「…もしかして探すつもりも保護するつもりも無かったんじゃ…」



雅俊の問いに、サプリは一切の表情を変えずに応える。



「だから、手伝えと言っている。」

「…」












雅俊は、唐突に空腹を思い出した。

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