《MUMEI》
…誰だ、お前
 
俺は高人(たかと)、中3。
両親は海外で仕事をしていてなかなか帰ってこれない。
親戚の家に住まわせてもらってる。


中学最後の夏休み、俺は勉強もせずにパソをいじっていた。


「あーだりぃ〜…」

こないだエアコンが壊れて部屋はサウナだ…


普通の日常生活。
俺はごく普通の夏休みを過ごしていた
が、

それはある日のことだった。



「つまんねー…何かこう、刺激的な何かねーのかよ」
一応成績は優秀。
…これでも学年トップだ。

テキトーに街を歩いていた。

「そーいや学校は補習でもやってんか?」

俺のダチが補習とか言ってたな…

「…ん?」

誰だ?ウチの学校に入っていくケド
見ねー顔だ。

俺はこっそり後をついていった。

転校生かな…?



ここは…
音楽室だな。


「…そろそろ出ておいでよ。」


…!
気づかれてたのか。


「あ…えと…」

見た所後輩か。
背は結構高いがまだあどけなさが残っている。


正直
…可愛いな




「どうしたの?…先輩」


「…誰だ、お前」

「僕?僕は新学期から転校してくるんだ♪」

やっぱりか。

「へぇ…名前は?」

「鈴音(すずね)」

「そか。俺は…」

「知ってるよ、高人先輩」

「え…」

何で知ってるんだ?


「おま何で俺の名前知って…」

「先輩、彼女いる?」

えっ、突然の質問だな
てか話を遮るなよ…


「いないけど」

「じゃあ彼氏は?」

「はぁ?俺男だぞ?」
何言ってんだコイツ

「ふふっ♪」


………変なヤツ。


とその時いきなり鈴音が目の前に現れた。

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