《MUMEI》

それは飲み会の二次会の場所に移った時だった。

「なぁ、その、ホントにここ?」


「え?何言ってんすか先輩〜、ここが最高なんですってばぁ〜。」


一個下の後輩につれてこられたのは、


「いらっしゃ〜い♪♪」

なんとも言い難い裏声、ヒラヒラした服から見え隠れするしっかりした無駄毛処理された肢体。


「ここ、いわゆる…オカマバー、だよな?」


「そうですよ?あ、初めてですか?大丈夫!みんないぃ人ですから♪」


半分へべれけになった後輩の言葉にめまいがしそうになった時、


「や〜ん、サトルくぅ〜ん♪」


悩ましい声と共に、美女風のオカマさんがやってきた。


「里美ちゃーん♪」


親しげに抱き合うと、


「じゃあ先輩も楽しんでください〜。」


そう告げると、二人仲良く奥のカラオケスペースに移動していった。



俺を残して……

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