《MUMEI》
愛の成り立つ丘
シーツに雪が埋もれてる。

掛け布団を一枚ずつ丁寧にめくった。
艶かしい雪は口に含むと、暖かい。

舌先が味を確かめ、湿り気のある紅に吸い込まれる。


「……ンッ、」

舌で口角を撫でてやると、悦さそうに跳ねた。
キスに夢中になっていたら、何度か肩甲骨辺りを引っ掛かれた。


「ああ……ごめんごめん。」

この柔らかい感触を覚えてしまうと、病み付きになる。
肩に掛かった手首が力無く、だらりと下がった。

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