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《MUMEI》 千葉雅也｢ピーｯ!!!!!｣ 審判の笛が鳴る。 …………… 海南ベンチ。 ｢やっ…てくれたな…｣ …………… 古賀久志。 暴走の結果は、 最悪の形で相手を巻き込んだ痛恨のチャージング。 審判の手にはもちろん、 イエローカードが握られていた。 …………… ｢はぁ…はぁ…｣ (何が…起こった…？) ｢ピピピｯ!!｣ ｢手を上げなさいｯ!!｣ (何で… 試合が止まってんだ…？) ｢古賀ｯ!!｣ ｢えっ…｣ 錯乱状態の古賀は、 状況の理解が遅れていた。 (俺…？チャージ…？) ｢手ぇ上げろｯ!!｣ (やっ…ちまったのか…？) 完全に状況を把握しきれないまま、 古賀は手を上げていた。 ｢大丈夫か？｣ 倒れる阿久津に近づく聖龍の選手たち。 ｢…｣ 阿久津は何も答えない。 ｢栄二…？｣ ｢…｣ チームメイトの呼び掛けに答えない阿久津は、 黙ったまま立ち上がろうとする。 (嘘…だろ…) 表情は青ざめていた。 理解していたが、 認めることができなかった。 試合続行が可能な状態ではないということを。 前へ |次へ |
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