《MUMEI》

「ケガか?」



聖龍の様子に、


海南も気付いた。



(ケガ…俺が…させた…)



「…」



呆然と立ち尽くす古賀を、


未來は見ていた。


そして未來は、


ベンチに叫ぶ。



「こいつ無理!!
もう動けね〜よッ!!」



その言葉に反応する古賀。



「ちょ…俺はまだ…」



「だな…」



「えっ…」



ベンチも同意である。


古賀久志。


阿久津栄二。


2名の選手が、


コートから姿を消した。














……………













観客席。


ザワザワザワザワ…


「…」


ザワザワザワザワ…


「小太郎…」


ザワザワザワザワ…


「やっちまったもんはしょうがない…」


ザワザワザワザワ…


「そうだけど…」


ザワザワザワザワ…


「それも含めてのスポーツだからね…


見てて気分良くないけど…


同情されんのは余計に辛いよ…」


ザワザワザワザワ…


「藤田。


言い方キツいかもしんなかったけどクロの言う通りだろ。


あいつも悪気があったわけじゃなさそうだしな…」


ザワザワザワザワ…


「嫌な…ムードだね…」


ザワザワザワザワ…


「皆?」


ザワザワザワザワ…


「なんすか理紗さん…?」


ザワザワザワザワ…


「皆は…
ケガしちゃダメだよ?」


ザワザワザワザワ…


「…はい。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫