《MUMEI》

キュキュッ…!!



千葉の足が止まる。



「抑えろッ!!!!!」



シュートモーション。


桜井・広瀬・井川の3人が壁を作り、


これを阻止しようと構える。



「はぁ……はぁ……」



ヒュッ…



(なっ…)



(えっ…)



(おいっ…)













「「「「「ナイスパスッ!!!!!」」」」」













シュートモーションに入った千葉。


それを阻止する為に構えた3枚の壁。


そして千葉の後ろには、


リバウンドに備え走っていたポスト。


千葉はシュートモーションの最中、


右手からボールを抜き、


自分の後ろを走るポストにボールを回した。



(バカ見えね…)













バスッ…













3人の壁は奥本からコースを見る視野を奪い、


突如として現れたボールはゴールへと突き刺さる。


この場面でポストが選んだのはブラインドシュート。


3枚の壁が裏目に出る結果となった。


必死さが裏目に、


聖龍には珍しい光景であった。



25:23



この時点で試合の主導権は海南。


負けている立場であるにも関わらず、


王者を首の皮1枚の所まで追い詰めていた。

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