|
《MUMEI》 プロローグいつものベルなら、直感というのだろうか、それが他の子達より優れている為、たいていの夢だと直ぐに夢だなと認識出来ていた。 ところが、この日の夢は何というか妙にリアルでそれが夢だと直ぐには気付けなかった。 夢の中の舞台では、ベルは学校の制服姿で薄暗く恐ろし程、長い回廊を走っていた。 また、夢の中のベルは勝手に体が動いていてベルは傍観者の様に夢を見ていた。 (何で走ってるのかしら?) ベルが走る理由は大概、待ち合わせの時間に遅れている場合が多いのだがまさか、そんな理由で夢の中でも走っている訳では無いだろう。 第一、夢の中で待ち合わせするような相手なんて居る訳がない。 (もしかして、何かに追われてる?) そう考えると、寝る前に普段は読まないホラー小説を読んだ事を思い出した。 (確か、これと同じ様なシチュエーションの描写があった様な気が・・・) では、自分を追いかけているのは小説に出て来た体中にイボを生やした気味悪い化け物という事になる。 ベルは極度の怖がりという訳では無いが出来ればそんな化け物は見たくは無い。 (早く、目覚めないかな〜) いつまでも続く夢の回廊を走りながら、早くベットに帰りたくなるベルだったが、出し抜けに目の前に大きな頑丈そうな扉が現れ、回廊が終わりを向かえる事になった。 ガチャ、ガチャガチャ 扉のノブを焦った様に回すが扉は開くことは無い。 (やだ、鍵が掛かってるじゃない。) 多分、夢の中の自分は絶望的な顔になってるだろうな等とボンヤリ思っていると後ろから、ヒタ、ヒタ、ヒタ、と足音が聞こえて来た。 夢の自分はその足音にピクッと反応する。 (嫌よ。駄目、振り向かないで!) 朝から、最悪な目覚めなんかしたくないベルは必死に夢の中の自分に訴えるが夢の中の自分はゆっくりと後ろに振り返る。 そして、完全に夢の自分が後ろに振り返り、顔を上げて視線を前にすると夢の中の追跡者が目の前まで迫っていた。 (えっ?) ベルは追跡者の正体に評しぬけした。 追跡者はイボだらけの醜悪な化け物でもましてや、恐そうな大人でも無かったからだ。 追跡者は同い年かベルより年下くらいの肌も髪も服すら真っ白な男の子だった。 |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |