《MUMEI》

母親のもとを離れ、他の家族にも別れを告げた。

こんなに早く逝くことになるなら、もっと話をするべきだった。

もっと近くにいるべきだった。


後悔。


あとからあとから、溢れる涙も想いも止まらなかった。



いつまでも変わらないと思う日常は、

変わらないと思い込んでいるだけで、

あっという間に崩れていく。

そんな、誰もが知っている当たり前のことに

改めて気付いた。


昨日までの『当然』は

今日の『必然』にはならない。


また今度で大丈夫なんて、

誰も保証できない。


「ありがとう」すら

もう届かない。

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