《MUMEI》
死ぬという事。
サト。
あなたが、通学の駅であたしの姿を何度か見つけて少なからずの好意を抱いてくれていた時、、、
あたしはね。
あたしはね、ものすごく痛い恋愛をしていたんだよ。
「ジョー、今から行くからそこで待ってて。」
最後の母性が反応したのか慌てて家を飛び出した。
この人ならやりかねない。
そう思った。
ジョーを刺激しないように説得した。
車は人里離れた山に進んでいく。
泣きながら怒りながら説得した。
それでもジョーは死ぬと言った。
空気は闇に。
あたしも次第に闇に連れていかれた。
「だったらあたしも死ぬわ」
ジョーが苦しんでいる。
別れをきりだしたあたしのせいだ。
ジョーは隣でわめいている。
そして車が停まった。
あたしは、降りてガードレールから下を覗いた。
下は底が見えないほど暗くて、落ちてしばらくしたら死ぬだろうと思った。
「ジョーが死ぬっていうならあたしが先にここから死ぬよ。」
「ミユウ、やめてくれよ」
ジョーは車から降りた。
力が入らないのか、立てないと言ってその場にへたりこんだ。
心の中で本気で思った。
『お父さんお母さん今までありがとう』
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