《MUMEI》

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制服やカバンを、コインロッカーに押し込んで…っと、ここで携帯が鳴り響く。


「はいは〜い、」


「何、してんだよ。愛紗。」


相手は、敦…あちゃ〜ご立腹のご様子…。


「うわっ…ゴホッゴホッ…あのね、風邪引いてね、熱がね…ゴホッ」
めちゃ怪しい芝居をする私。


「おう…BGMにクリスマスセールの店内アナウンス流れてっぞ(笑)」


…あちゃ〜ダメじゃん。
「ごめ…遊んでた。」


敦は、家の学校の先生だ。ん?何か問題でも?(笑)


美術の教師で…25歳、独身。


あ、因みに、さっき別れた佐伯は…どっかの会社社長らしい、よ〜知らんけど…多分35歳位〜妻は病死。一応独身ね。


え?二股だって?あ…いえいえ、ん〜と何股だっけな?ま、そんな感じ〜。


「お〜い、愛紗〜聞いてるか〜?」
あ…電話の途中だった(笑)


「あ、ごめ…何、敦〜。」


「今日、一緒にご飯食べね?」


…う…ご飯食べたいけど〜それで終んないよね…。


「今日は止めとく。」
そう言って、携帯を切った。


…電源も切っとくかな〜?ウザイし…。


そして私は、雑踏の中で〜束の間の、孤独の自由を楽しんだ。


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