《MUMEI》

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気付いた時には、もう祖父は他界していた。


父母にも言えず、怒りの矛先の祖父も居ない。


怒りは〜馬鹿な自分に向いた。


一番許せなかったのは〜その行為を遊びとして楽しんでいた私だった。


…私は汚い、私は淫らだ、私は…私は…グェ…ゲホッゴホッ…


私の中にあの祖父の血が流れている、そう思うだけで、おぞましい…。


そして…狂気の結論。私は汚れた女〜人を愛する資格はない。でも求められるなら与えよう。愛が無くとも…。

ただ、1つだけ汚れなき場所がある。唇だ。祖父はキスはしなかった。だから〜これだけは汚さない。そう誓った。


私は、その時に『愛されるように』と名付けた父を初めて恨んだ。


そして…数年後父は、愛人の元へ走った。


単身赴任中に出来た愛人だった。


それからはずっと母と二人暮らしだ。


そして…現在に至る。

私は高校2年生…愛のない行為に溺れる女。


ねえ?佐伯?ねえ?敦?あなた達は、こんな私を知っても愛してくれる?


自分さえも愛せない私は、人を愛せる日が来るのかな?


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