《MUMEI》 . 「伊東 留王(いとう るおう)です。」 ニコリと笑って言う。 「おう〜そうだ、伊東君だ。」 …留王?変な名前。 なんか、気に入らない…さっきから、いかにも『僕は純粋に生きて来ました。』みたいな顔をして、笑ってる。 天使?背中に白い羽が見えそうなタイプ…。私の背中には、カラスの様な黒い羽…。ムカツク。 「あの〜嘉山先輩?」 …天使が私に話かける。 「なに?」 「愛紗先輩って、呼んでいいですか?」 「……やだ。」 「でも、僕もう、呼ぶって決めちゃったんで…あ、僕の事も、留王って呼んで下さいね。」 ニッコリ笑って、そう言った。 「……」 …なら、最初から聞かないでよね…やっぱ、苦手。 . 前へ |次へ |
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