《MUMEI》

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「…でね、愛紗先輩って、呼ぶんだよ、あの子。」


私の話を、面白そうに聞いてる、敦。


今日は日曜日、今は敦のマンションで、まったりしてるとこ…


勿論〜ベッドの中で(笑)


「まあ、そう言いなさんな、アイツ、顔の割に苦労人よ。」


「……」


「病気で、留年してるんだぜ。多分、愛紗と同じ年と思う。」


「ふ〜ん、で何の病気だったの?」


「たしか、心臓病だったかな?」


「心臓病?大丈夫なの?それって…」


「うん、なんか手術待ちとか、言ったかな?」


…ふ〜ん…だから、あんな青っちょろかったんだ。


「愛紗?」


「ん〜?」


「惚れんなよ?」


「誰によ?」


「…ま、いいよ。」


そう言って敦は、私を抱き締めた。


敦は、愛紗を抱きながら…不安だった。


愛紗が〜人に興味を持つのは、珍しいから…


…伊東 留王 か…
横から、出てくるなよな…


愛紗は…渡さない、誰にも…


こうして…腕の中にいても…スルリと抜けてしまう…


愛紗は、そんな女だ…マジで、惚れるつもりはなかったのに…


遊びのはずだったのに…


気付いた時には…すべてが…手遅れだった。


一ノ瀬 敦 25歳
愛紗に本気で、惚れてしまった 男。


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