《MUMEI》 . 「あ、俺…」 ドンドンドン… 激しくドアを叩く音。 「愛紗先輩?ど〜したんですか?」 留王の声。 「留王〜助けて。」 思わず、叫ぶ愛紗。 「愛紗〜ごめん、俺。」 敦が、愛紗に触れようとした。 「触らないで…」 敦は、頭を横に振り、鍵を開け、ドアの前の留王を睨み付け、走って逃げた。 留王は、愛紗の傍に近付いた。 「愛紗先輩、大丈夫ですか?」 まだ、微かに震えている愛紗に、自分のコートを掛けた。 「留王…」 「はい…」 「私ね、こんななんだよ…だから〜留王のモデルなんて、出来ないよ…ごめんね。」 愛紗の目から涙が溢れた。 留王は、フワリと笑って、愛紗の頭を撫でた。 「留王〜私は汚れちゃってるから〜絵のモデルなんか、相応しくないよ…」 「心まで、汚れてないでしょう?愛紗先輩は、美しいですよ。」 「……」 「まるで、アフロディーテのように…」 「プッククッ、どっから、そんなクサイ台詞を持ってくんのよ。」 「え?臭かったですか?マジ発言だったのに(笑)」 . 前へ |次へ |
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