《MUMEI》 . 「やっぱり、変な奴」 今頃気付いたんですか?〜と留王は笑った。 その日から、私と留王は、急速に親しくなっていった。 敦とは…あれから、話をしていない…。 何度か携帯に謝罪のメールが来たけど…今は〜まだ怖くて、会いたくない。 学校では、極力会わないようにしてる。美術部も止めた。 愛って言う気持ちが、あんな行動をとらせる物なら〜やっぱり、私は 愛なんていらない。そう思った。 4月になり、私は三年になった。 春の移動で、敦は学校から居なくなった。正直、ホッとした自分がいた。 留王は、美術部に在籍中で、しつこく絵のモデルを迫る。 「ね、愛紗〜頼むよ。」 いつの間にか、呼び捨てになっていた。 ま、本当は同い年だから、良いけどね。 「一ノ瀬先生も、いなくなったから、大丈夫だよ、ねっ。」 屈託なく笑う、留王。 「ま…ね。」 つられて軽く返事をしてしまった。 「やった〜、じゃ早速…」 「え?今から?」 「さ、脱いで。」 「はい?」 留王は、ニコニコしてる。 「……」 …え?うそ…モデルって…裸婦?戸惑う私。 「ププッーー(笑)」 吹き出す留王。 「あーーっ!もう〜!留王〜。」 二人で笑い合った、柔らかな春の放課後。 幸せな時間だった。 . 前へ |次へ |
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