《MUMEI》

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「あ、そこに〜リンゴジュース置いてるから、飲んでい〜よ。」


…うん、なんか夢見た気がする…懐かしい…切ない夢…てか、涙?ハズイ…慌てて、袖口で拭う。


…留王…気付いたかな?…


「あのさ…」


「ん〜何?愛紗。」


「留王って……好きな人とかいるの?」
…てか、私ってば〜何を聞いてるんだ!


留王は〜こっちを見たまま、寂しそうに笑った。


「……?」


「いますよ、ずっと前から…。」


…ツキン…
何故か胸の奥が 痛んだ。


「ふ〜ん、恋人いるんだ?じゃ〜私なんかじゃなくて、その人の絵を描けば、いいのに…」


…パタン…
留王が〜絵筆を置いて、私に近付いた。


「な…何?」


「愛紗〜僕は…」


留王は、自分の左胸を押さえながら…静かに言った。


「ここが〜ポンコツなんで…好きな人には、コクれないんですよ。」


…あ、そう言えば…敦が言っていたな。


「ごめん…留王…。じゃ相手は、留王の気持ち…知らないの?」


「どう…なんですかね〜?」


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