《MUMEI》 . 「愛紗〜ココアでいいか?」 「うん…」 …コトン… 私の前に、ココアが置かれた。 「落ち着いたら…話せ。」 「……」 「あのね……」 私は、敦の事、留王とのキスの事…を話した。 「……」 佐伯は、黙って聞いてくれた。 「愛紗〜黒髪って、知ってる?」 「え?」 「…私の黒髪は眠っている〜ってヤツ。ま、俺も詳しくはないんだけどね。 真実の愛を知らない少女の黒髪は、眠っているんだと…本当に愛する人に出逢った時に、眠りから覚める。 愛紗の場合は…それが唇なんだよ。わかるかな?俺の言いたい事…」 「それって…」 「うん、愛紗は〜眠りから覚める時が 来たんだよ。」 「ちがっ…違うよ、佐伯〜私は、留王なんか、好きじゃない。」 . 前へ |次へ |
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