《MUMEI》

俺と乙矢と七生は機材と教室の鍵を返しに行く。
「これが誰かの目に留まるなんて最悪だあ!」
頭を抱える。



「気にするな気にしたら負けだと思え」


「乙矢は楽しんでたじゃん」七生、鋭い。


「先輩が楽しんでるんだ。」
それも一理ある。


「しかしこんな赤っ恥かくことになろうとはな……」
まさか男に……


「じろー、乙矢に感じてたからな……。水瀬には黙っておいてやるよ」
マジ顔で言うなあ!


「 感じてねーよ! 」
せいぜいときめくくらいだ、感じるとか、何言い出すんだ七生!


「だってヤバイ声聞いたもん。俺、五感いーし。」
そうだった、こいつの身体能力は並々ならぬものがあった。


「あれは、えーっと……欠伸、あくびなの!なあ、乙矢?」
目配せして同意を求める。


「同性に反応されるも男の甲斐性……」
何言ってんだコイツ!

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