《MUMEI》

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…後悔しないように、正直に…。母はそう言った。


留王にキスした時の気持ちが、私の正直な気持ち。


そうだ!私は留王が好きなんだ。どこの誰でも良い、留王だから〜好きなんだ。


「気持ち決まったみたいね、愛紗。」
私の顔を見て、母は言った。


「うん、お母さん、ありがとう。」
そう言いながら、留王の所に行く用意をした。


「ちょっ…愛紗、あなた まさか、そのままの顔で、出るんじゃないでしょうね?」


「え?あーっ、目が腫れてた。」
母は、サングラスを貸してくれた。


コンコン…
「はい…どうぞ。」


「愛…紗…」
留王が、戸惑った顔をした。


「あの…昨日は、ごめんなさい。」


「来てくれるとは、思わなかった。ありがとう…。僕の方こそ…ごめん。」


「あのね…留王に、どうしても伝えたい事があって…。」


「うん…何か…な?」


「敦に襲われた時〜心まで汚れてないって、言ってくれて…私は救われたの。留王、ありがとう。あの時から〜


…留王が好きです。」
私は初めての告白をした。


「う…嘘っ…本当に?」


「う…うん。」


「あ…ヤバい…胸が…うっ…。」


「え?留王?」
慌て近付く、私。


「キャッ…」
不意に抱き締められる。


耳に留王の心臓の音が聞こえる…ドキドキドキドキ…


「ふふっ…留王〜鼓動が速い…。」
そう言って、留王を見上げた私。


「……」「……」
視線が重なる二人。


留王と私の、二度目のキス…震えながらの、ぎこちないキスだった。


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