《MUMEI》 周りにいる全員の静寂が、 ようやく、 それを実感させた。 じわっ… 押さえていた感情が、 初めて形となる。 「ごめん…俺…」 「そういうのやめろって…」 「誰のせいでもないだろ…」 わかっていた。 (だけど…だけど…) ガンッ!!!!!! 一度溢れだしてしまった感情は、 簡単には押し殺せはしない。 千葉は左手で壁を殴り、 チームメイトはその音に驚く。 そして、 (もう少し…だったのに!!) もう一方の手で、 拳を振り上げた。 ガシッ!! その腕は、 「そっちはやめとけ。」 後ろから掴まれる。 「恭介…さん…」 今彼が1番、 自分の弱さを見られたくなかった相手によって。 「俺は…」 (先輩みたいに… 強くなりたかった…) 前へ |次へ |
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