《MUMEI》
02.遠い日の輝き
歌の木箱○一

02.遠い日の輝き

いつか見た、あの頃の夢を叶えてから、
ずっと静かな、ステージにいたよ。

サインと筆と、回らない頭とを、夢に繋いで、造ってきたんだ。

緩やかなマイ・マイン・マンスは、トボケタ顔をして、私の空想を駆け巡る。

小さな物語が、いずれ、水になり、川にながれ、海にでるように、愛しく咲いた花は、枯れることなく、アバウトな、くぐもりに隠れる。

水面を船が、滑走するように、群れの先頭で、波を切って、すすんできたけれど、

最後のステージは、淡く、響く、ロックさえも奏でないで、


足音で、ステージを蹴り倒しても、剥がれない過去のずぶ濡れな、歴史は、

未来さえも、遠ざけて、酷い、生き様とも呼べない、酷い、有り様だ。

ロックが、好きでもなく、音を奏でるのでもなく、
しゃがれたキーパイプ一つ持って、この世界を渡ってきたのに、

今、朽ち折れていく、無様なこの身体は、捨てることもできず、焼くこともできず、嘲ることさえも、許されないで、

愛を語っている。

言うなれば、それが、愛なんだよ。
誰もが万人が、持てる、唯一の、秘密兵器なんだ。

歴史が、欲しければ、昇るしかない。


ヒートアイランドの静かな山を。
二人でいくのなら、つまづく事は、ないだろう。
今、輝く、古き過去の歌。


語・スティーブン・ヘル

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