《MUMEI》
遊園地ー出口ー
今宵が1人葛藤していると、いつの間に出口に着いていた。

「さって帰るか!!今宵ちゃんは歩雪と帰れば大丈夫だろ?」

「まぁお隣さんですから・・・・・・」

今宵は紘に答える。

今はそれどころじゃないんだけどね!!

今宵の言葉に頷いた紘は、秋葉に声をかけた。

「んじゃあ秋葉ちゃんはオレが送ってくよ!!わぁ安心♪」

「何がわぁ安心よ。いいわよ、あたし今日本屋寄ってくから」

「がーん!!」

秋葉がスパッと紘を一刀両断すると、今宵は心配そうに尋ねた。

「ホントに1人で大丈夫?秋葉ちゃん」

「何言ってんのよ。まだ7時前よ?」

秋葉は笑みを浮かべて今宵の肩を叩いた。

大丈夫かなぁ〜?

秋葉ちゃんキレイだから心配・・・・・・。

今まで黙っていた歩雪が口を開いた。

「止めとけば、今日は。いくら秋葉でも一応女の子なんだし」

「なぁによそれ!!心配してんのかけなしてんのかどっちかにしなさいよ歩雪!!」

歩雪と秋葉が言い合っているのを見て、今宵は呆然とした。

え?

今秋葉、歩雪って言ってたよね・・・・・・。

「今宵ちゃん・・・・・・」

俯く今宵に紘が声をかける。

うまくいったってことなんだよね。

それじゃあ喜ばないと。

秋葉ちゃん真剣だったし・・・・・・。

「じゃあオレ今宵ちゃん送ってくからさ。歩雪は秋葉ちゃんについて行ってやれよ!!」

「琴吹くん?」

どうして・・・・・・?

「何言ってんの琴吹」

「そうよ!!大丈夫だって言ってるじゃないの!!」

「いいから!!じゃあまたな!!今宵ちゃん行こ!!」

「え、ちょっと!!琴吹くん?」

紘は歩雪達に声をかけると、今宵の手を引いて駆け足で出口を出た。

秋葉は2人の後姿に声をかける。

「コト!!雪村!!・・・・・・行っちゃった。どうしたのかしら?」

「こー・・・・・・」

歩雪は寂しげに今宵の姿を目で追った。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫