《MUMEI》 「村木も言うときゃ言うんだな〜。」 通路を歩くクロたち。 「…っせ。」 クロと村木の言葉にスカっとしたのか、 表情は先ほどよりも明るくなっていた。 「しかし…」 周りを見渡すヤマト。 「すげ〜人だな… こりゃ中でアップってのは厳しいぞ。」 会場内は満員。 立ち見の観客までいる状態。 通路を走るという簡単なアップでさえも困難な状況であった。 「…みたいだね。 しょうがないから外行こうか。」 というクロの言葉に、 全員が一目でわかる落胆の表情を浮かべた。 (外かよ…) (あち〜よ…) (勘弁してくれ…) こんな時に全員の意見が揃うとは、 何とも残念なチームである。 「ランニングと柔軟。 フル出場ではないとはいえ1試合やった後だし、 ちょっと軽めで行こうか。」 「しゃあッ!! 気合い入れてくぞッ!!」 「おぅッ!!」 (現金な奴らだ…) 前へ |次へ |
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