《MUMEI》

「ん〜ッ…!!!!!」



外。


大きく背伸びをするクロ。


隣には佑香と安本。



選手たちはランニング。


ヤマトはそれに付き合っていた。



「ずっと座ってたら腰痛くなっちゃったよ。」



「年寄りみたいなこと言うんだな。」



「あ、でもあたしもですよ。」



「やっぱそうだよね〜。」



伸び伸びした様子の3人。


とても準決勝を控えたチームの関係者とは思えない様子であった。



「ふぅ…」



とはいえ、


試合に出ないからと言って緊張がないわけではない。


不安を言葉にしたくなかったという気持ちもあった。


緊張していたのは、


3人も同じ。



「…勝算はあるんだよな?」



安本が口を開く。



「もちろん。


厳しい戦いにはなると思いますけど、


十分勝算はあります。


まぁ…


勝負は前半ですね。」



「前半?」



「僕の予想通りなら…ね。


となると序盤でガチガチに緊張しまくり〜ってのは避けたいし、


むしろテンション上げ上げ〜でいってほしいわ。」



「簡単なようで難しい注文だな…」



「ですよね〜...
やっぱやるしかないかな〜...」



「やるって…何を?」



「ん?…秘密。


とりあえず僕その準備から取り掛かりたいんで、


ちょっとここお願いしてもいいですか?」



「え…あぁ…いいけど…」

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