《MUMEI》

「思ったより今年はレベル低いんだな。」



通路を歩く聖龍の選手たちに、


突っ掛かる1人の声。



「あ?誰だおめ〜?」



知らない顔だった。



「…明日決勝で当たる秀皇の榊っす。」



「秀皇?榊?」



「いたかそんな奴?」



「さぁ?」



「…ま、いいでしょ。
明日になればわかることだし。」



「粋がんのはい〜けどよ?」



「?」



「役不足なんだよ。榊くん。」



「…あ?」



「まず目の前の試合に勝ってから言おうな。」



「…俺たちが赤高に負けるってか?」



「さ〜な。」



「…」



一瞬の間沈黙が流れ、


彼らはそのまま対峙する。



「榊さんそろそろ下行きますよ!!」



榊を呼びに来た市原。



「試合…見てくんでしょ?」



「あー。」



「そりゃ良かった。」



榊はその場を後にし、


階段に向かう。



「…何だあいつ。」



「1年。選手名簿。」



「お、おっす!!」



榊 竜二 (2年)
ポジション・センター。
背番号・13



「補欠じゃね〜か。」

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