《MUMEI》

観客席。



ザワザワ…



「っ…と。」



ザワザワ…



「おい…」



ザワ…



「ん?」



ザワザワ…



「見ろ。海南だ。」



ザワザワ…



「まだ居たのか…」



ザワザワ…



「見てくんだろ。


赤高と聖龍。


どっちかが3決の相手になるんだ。」



ザワザワ…



「3決なんて消化試合じゃね〜か…」



ザワザワ…



「そんな考えだから俺たちは負けんだよ…」



ザワザワ…



「ぬ゙…」



ザワザワ…















……………













会場、


観客席には、


先の試合で敗れた海南の姿があった。


そしてその海南に、













……………















ザワザワ…



「…何の用だ。」



近づく姿があった。



ザワザワ…



「勝者が敗者に近づくのはルール違反だろ。」



ザワザワ…



「そういうなよ。
別にケンカ売りに来たわけじゃね〜んだ。」



ザワザワ…



聖龍高校右サイド。


広瀬 智。



ザワザワ…



「だから何の用かって聞いてんだよ。」



ザワザワ…



「お前。」



ザワザワ…



「あ?」



広瀬の視線の先、


そこには未來がいた。



ザワザワ…



「あんだよ?」



ザワザワ…



「お前、
今年初めて見た選手だから知らなかったけど俺とタメなんだな。」



ザワザワ…



「だったらなんだよ…」



ザワザワ…



「進路は?」



ザワザワ…



「は?」



ザワザワ…



「お前とはまたやりてぇんだ。」



ザワザワ…



「…知るか。」



ザワザワ…



未來はそれ以上何も言わず、


コートへと視線を移した。



ザワザワ…



「決まったら教えろよ。」



ザワザワ…



「…」



ザワザワ…



広瀬はその場所を後にし、


自軍の位置する席へと戻る。



ザワザワ…



(進路…ね…)

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