《MUMEI》 「秀皇大で試合した時にはルーズボールを追わない… そこを付いて勝ったのにまだこんな慢りがあったとはね。 修正したようでしきれてないんだよ。 強豪なだけに自信家が多そうなチームだ。」 「つかクロさん… 向こうのフィールダー3人がカバーに走らないってことはわかりましたけど、 具体的に速攻を防ぐ案ではないんじゃ…」 「まあね。 今のは速攻を止めた場合こっちが有利って話。 速攻を止める案じゃない。」 「じゃあ速攻はどうやって止めるんすか?」 「ん? そんなん日高と関谷が走り負けなきゃいい話じゃん。」 「何だそれッ!!」 ここまでの話とは対象的に、 いとも簡単な説明であった。 「え?何? 日高と関谷は走り負ける気でいるわけ?」 「ッ…」 表情が変わる日高と関谷。 こういった形で気持ちを乗せるのはクロの特技。 「まさか。」 「全然。」 モチベーション。 精神論でさえもクロの作戦の一貫であった。 「ま…村木もいるわけだし、 そんなあいつらの好き勝手はさせないよ。」 「…」 根拠のない精神論に、 何故か納得してしまっていた。 前へ |次へ |
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