《MUMEI》

彼女を見つけた時、その綺麗な目にも魅了されたけどそれ以上にコートの中に隠されていたそれに惹かれて日本にまで彼女を追いかけて来たんだった。

「おっぱい好きはマザコンなんだぞ〜」
「”マザコン”…ヴァスイストゥ ヴェーデゥツーク?(何ですか?)」
「んあ?何かってか?」

僕がそう言うとさくらは少し考え込んで「ぁ…マザー…コンプレックス、だな」と答えてくれた。

マザーコンプレックス?

”マザー(母親)”の”コンプレックス(集合体)”ってどういう意味なんだろう…。

意味が分からなかったんで辞書で引くと”complex(コンプレックス)”には”複雑な”とか”劣等感”とかいう意味があるようだった。

「ほら、食べるぞ」
「Ja…あ、はい」

母親に劣等感か…そうなのかもしれない。

僕の母親は僕を産んでから数年間は育ててくれたんだけど、ある程度大きくなった僕をダシにして父に金銭を要求して小さかった僕をさっさと父に渡してどこかへ消えてしまったらしい。

そんな事もあってか、僕は気が付くといつもどこかに母親の姿を探している事があった。

「何だよ…あんま美味しくないか?ぁ、ハッツ ゲシュメクトゥ?」
「ううん!レッカレッカー///美味しーです!」

今まで付き合ってきた女の子達も、そう言われてみればみんなおっぱい大きい子だったなぁ…。



さくらの作ってくれた美味しいご飯を食べ終わって僕が片付けていると、向こうの部屋からさくらの声が聞こえてきた。

「何だこりゃ、マックスー!」
「ヤ、ビッテ?(はい、何?)」

部屋に行ってみると、さくらの手には前に僕がさくらの為に買ってきたドレスがあった。

「あー///プレゼントフォーユー///」

前に買っておいたけどさくらが気付かなかったのでそのままにしておいたんだけど、気付いてくれてよかった。

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