《MUMEI》

「ちょ、もうちょいこっち。」



「はぁ?」



円陣の位置に拘るクロ。


ベンチから少し離れ、


一部はコートに入り込んでいた。



「うん。じゃあこの辺で。」



「???」



状況を理解している者はいない。


秀皇の選手たち。


観客席のヤマトたちもその意図はわからなかった。



「さぁ〜てと。
じゃあ今日は僕が言わせてもらうよ。」



「えっ…あぁ、どうぞ。」



さっ…



クロは右手を挙げる。



「???」















……………














ザワザワ…



「あ!!見て!!合図だ!!」



ザワザワ…



「ホントだ!!始まるよ!!」



ザワザワ…



「お〜い皆準備ぃッ!!」



ザワザワ…














……………













『3』



クロは指でカウントダウンを始めていた。



『2』



(何してんだ…?)



誰も意図はわからない。



『1』



す〜っ…



大きく息を吸うクロ。















「しゃあ行くぞぃッ!!!!!!!」












会場中に響く大きな声だった。















「お」



「「「「「「おぅッ!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



(えっ…?)



(はっ…?)



思わず振り返る赤高選手たち。















ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「負けんなよ〜ッ!!!!!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「頑張れ赤高ぉ〜ッ!!!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!














クロの掛け声に反応したのは、


赤城北高校の全校生徒。


観客席は爆発。


早くも激しい応援が始まっていた。















「すげ…」



「さ〜てさてさて。


も〜やるっきゃないよ。


男ならやるっきゃないよ。」



「…と〜ぜん。」



「勝って来ますよ。」

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