《MUMEI》

赤高・秀皇。


両チーム共スタメンが中央ラインに集まり、


その他の選手はベンチへ。



「…で?
さっきのはどういう意図があるんだ?」



赤高ベンチ。


大歓声が鳴り止まぬ中、


安本がクロに尋ねた。



「外でアップしてた時にいなくなったのはそういうことだったんですね。」



ニヤニヤしながらつけたす佑香。



「ま、ね。」



答えるクロもつられて笑う。



「そっちの質問より先に安本さんの質問俺も気になる!!」



スタメン落ちによりベンチにいる沖。



「ふぅ…」



ため息をつくクロ。



「…催眠商法って知ってる?」



「催眠商法?」



質問の解答とは関係のなさそうな単語に反応し、


思わず疑問系のおうむ返しになる佑香。



「さ…催眠術をかけて眠らせている間に財布をうば」



「違う。」



基本沖の話は最後まで聞かないクロ。



「確か…


消費者の購買意欲を煽る詐欺の手法じゃなかったかな?


SF商法とか…


ハイハイ商法とか呼ばれたりもするやつだろ?」



「さすが安本さん。」



「何でハイハイ商法って言うんすか?」



「この詐欺はね、


無料で物を配って気持ちをでかくさせるとこから始まんの。


そん時に大声で挙手させて気持ちが高揚したとこで高額な商品を売り付けんのが大抵の手口。


だから催眠商法とかハイハイ商法って呼ばれるわけよ。」



「へ〜...で?
それが今の茶番とどんな関係が?」



「要するに、


皆で盛り上げてお前らの気持ちを乗せるって寸法。


見てみ?


あいつら。


緊張がなくなっていい顔してる。」



「今なら高額商品を買っちゃうってわけか…」



「…全然わかってね〜なお前。」



「とにかく…
これでようやくキミの言ってた作戦の準備が整ったってわけか…」



「そういうことです。


この詐欺の手法を考えた奴らももっと使い方を考えりゃ〜良かったものを…


ま、僕的には大変参考になったけどね。」

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