《MUMEI》
バレる
コート中央。



「…」



「…」



(スタメンのポストが違う…


アップの時の騒ぎはやっぱりケガしたってことか?


代わりはノーマークの1年…


さっきの市立戦にも出てはいたが、


レギュラーと比べると見劣りする動きだったな…


けど赤高にはもう1人2年がいたはず…


そいつを外してこいつを起用するってことは何か武器があるのか…?)



「おい、上野。」



「あ…」



(まぁ…
試合が始まればわかることか。)



「ビーッ!!」



ブザーが鳴る。



「始めます!!」



「お願いしますッ!!!!!!!」
「お願いしますッ!!!!!!!」



「しますッ!!!!!!!」
「しますッ!!!!!!!」



挨拶が終わり、


両チームキャプテンを中央に残しコイントスで先攻・後攻を決める。



「…コート中央にキーパーがいるってのもまた珍しい光景ですね。」
※椎名。



「確かに…」
※峰田。



「ピーンッ!!」



審判がコインを投げる。



「表。」
※ユキヒロ。



「裏。」
※上野。



審判の手がめくれ、


コインが顔を出す。


結果は、



「どうします?」



表。


赤高に決定権が渡る。



「どっちでもいいよ〜。」



ベンチから答えるクロ。



「んじゃ、先攻で。」



審判に告げるユキヒロ。



(どっちでもいいさ。)



上野は興味なさそうに自軍ゴール前へと戻る。



「後攻かよ〜。」



「関係ね〜さ。


俺が止める。


お前らが速攻。


単純だけど最初はそれで流れを掴める。」



「流れうんぬんとかいう試合になりゃい〜けどな。」



「たはは。」



秀皇にもまた、


赤高とは違った様子の余裕が見えていた。

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