《MUMEI》
グレイトハーツ1ー1
生き霊、それは人の憎しみや欲望などの強い意思から具現化した心の現れのようなものである。

バンッ。地面に強い衝撃が加わると同時に骨が砕けるような音が広い柔道場になり響く。
「俺は…」


真っ暗い闇の中

「ここは?………俺は病室に居たはず。ここはどこなんだ?…」真っ暗い闇の中でトビラのようなものの輪郭がわかるほどの光が遠くに見える。
「なんだあの光…。かっ、身体が動く!!」
闇の中、身体が動く事に驚く少年はゆっくりとその光のあるところへ動き出す。

ガチャン

少年はトビラに触れると自然に開き、強い光が目に刺さる。
少年は前に進む、カメラのストロボで一瞬目の前が見えなくなったときのように辺りは見えない。
「学校?」少年は一瞬戸惑いを見せる。
背後のトビラは自動で閉じた。
少年の見た先は見た事の無い学校だった。
廊下の向こうから二人の少年が話に夢中になりながら歩いてきた。
「それでさぁ~今日もまた殴り合いになってこれだよ。」話す少年の顔は、腫れていた。
「そいつは災難だったな」
「うわっと!すみませんでした。」話に夢中な少年はトビラから出てきた少年にぶつかる。
「イテッ」
「あのっ、だいじょぶですか?」
「ああ、それよりもここどこだかわかりますか?真っ暗いところを出たらここに…」二人の少年は顔を見あって何かを確信したかのようにし、「もしかして新人?君名前は?。」
むのけいた
「武野 京達」
「じゃあ京達、ここがどこなのか教えてやっから俺たちについてこい。千霧だ」
「僕は、豊二」
「わかった。」武野は、二人について行く

東校舎3階会議室
まな
「真奈りん、今日は客を連れてきたぜっ、ほら」
「武野京達といいます。あの、ここはどこなんですか?」
「どうやら彼はここに来たばっかりらしい」
「武野君。じゃあここがどこなのか教えてあげる。
ここはゴーストライフワールド略してGLW。私たちの肉体がある現実世界で叶えたかった欲望、憎しみなどの強い意思が現実世界で具現化、生き霊となって無意味になるか夢が叶えられるかが決まる場所。だいじょぶ死んだわけじゃないから。」
「GLW?夢が叶う場所?」
「そっ、でもまだ条件を満たしてこの世界から卒業できた人はこの第1953回ではいない。学校長も教えてくれなかった。」
「自分たちで探せってことらしい」
「そぉいえば片崎君、その顔の腫れどうしたの?。もしかしてまた奴ら?」
「ああ、そうなんだよ。奴ら最近、俺たちをみるとすぐ殴ってくる。」
「じゃあ、前回の作戦は失敗か…」
「日畑、このまま好き放題させるわけにはいかないよな」
「そうね。」
「奴らって?」
「俺たちと同じ、夢を叶えたい生徒だが、悪さばかりして卒業の邪魔をしてくるんだ。
それで毎日武器もって、戦争みたいなのをしてあらそってるってわけ」
「どちらにはいるかは武野君の自由よ。無理矢理引きいれたりはしない。」
「わかった。」
「ちなみに、奴らの本拠地は西校舎の4階よ。」

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