《MUMEI》

「決まったと思ったけどな…」



「良い反応してるよ全く…」



ディフェンスに戻る秀皇。


シュートは外れるも、


フォーメーション自体は十分赤高ディフェンスに通用していた。


落胆はない。



「1本行こうッ!!」



中央ラインを越える赤高。


センター位置には峰田。


椎名は右45。


あくまでもトリッククロスの延長である。



キュキュッ!!



(…何が電光石火だ。)



ヒュッ!!















……………















『バイバイ赤高陸上部。』














……………














キュキュッ!!



ヒュッ!!



ボールは椎名から関谷、


関谷から椎名へ。



ヒュッ!!














……………















『…忘れたんならいいけど。』















……………














「ユキヒロッ!!」



ユキヒロ・峰田のクロス。



(またお前か…)



身構えるディフェンス。



ダッ!!



しかし、


似たようなプレーを続けることこそがトリッククロスの真骨頂。



「違う後ろだッ!!」



走る椎名。


狙いはダブルクロス。



(…思い出したよばーか。)














……………















『電光石火』














……………















ヒュッ…



ボールはユキヒロから椎名へ。



(来るか…?)



秀皇ディフェンスはロングを警戒。


しかし、



ヒュッ…



(もっかい行ってみよ〜か。)



「なっ…!?」



振り返るディフェンス。


後ろに居たのは、


ポストの久保。



(スパルタの先輩だな…)



ボールを取る久保。


シュートモーションへ。



ニヤッ…



瞬間…


1枚目を守る要義人が不適な笑みをこぼした。



(…させね〜よばーか。)



ダッ…!!

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