《MUMEI》

バシッ!!



(えっ…)



久保のシュートは、


あっさりと上野に止められる。



「そっ…!!」



『速攻』



…そう叫ぼうとした秀皇センター。


が、


目の前で起こる予想外の展開に言葉が止まる。
















「ちっ…!!」















トップを走る左サイドの要義人。


そのすぐ後ろには関谷。


しっかりとマークが付いている。


先頭を走っているとはいえ、


速攻のパスが出せるような位置でもない。














……………















『やるからには上目指す。』















……………















(こいつ…)



要義人。


彼にとっても予想外の展開。


表情からは動揺が感じられた。



(俺に…
付いてこれんのかこいつ…)



ニヤッ…



走りながら笑っていたのは関谷。



(お前のその顔が見たかった。)



パスは出ない。



(電光石火?それはな…)















……………















赤高ベンチ。



「…それでいんだよ。」















……………














『電光石火』















……………















(俺の言葉だ。)

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