《MUMEI》 夢の世界3ー1『ダダダダダダッ』夜の校庭に銃声がなり、火花がちるたびに何人もの人影が見える。 「くっ、さすがに堕天使は骨があるわね。じゃあこれならどう?」日畑は、湯野と戦っていた。グレイトハーツのみんなは湯野を堕天使と呼ぶらしい、日畑は全速力でナイフを持ち、湯野をめがけて突っ込む。 「『リフレクモード』近接戦闘用モードに切り替えます。シフトチェンジ、『ガードシフト』」 「それを、待ってました。全員総攻撃。」 「なっ」 「お前たち、何をやっている?どこの学年だ?誰が原因で銃撃戦をしている?」教員があらわれみんなの動きが止まる。 「………。」日畑は何も話さない。 「今回の銃撃戦の原因となった首謀者は、私です。私に全責任があります。風紀委員長という立場でありながら申し訳ありませんでした。」湯野は何故か言う。 「リーダー。今回は、明らかにあっちから仕掛けて来たじゃないですかっ!!」 「黙って」 「それじゃあ湯野、明日早朝に生活指導室にこい」 「はい。」教員は去った。 「いったいどういうことだ日畑。何故やつは俺らのせいにしなかったんだ?(もしかして仲間のために…か。)日畑、俺ら、明日行った方がいいんじゃないか?」 「そいつは俺も同感だぜ無脳」片崎が言う。 「無脳ちゃうわ、武野や、わ。」 「何故に関西弁なんどす?」 「お前こそ」 「真面目に真奈りん、俺らは明日行った方がいいと思う。だってなんか割に合わねっつうか、男が廃るっつうかさ…。」片崎は、日畑を説得する。 「あ〜もう分かったわ、明日行ってあげる。確かに今回はやり過ぎたわね…。じゃあ今日は解散。」 「日畑、明日俺も付き添っていいか?」 「御勝手にっ」 中央校舎5階 生活指導室 「つまりだ。今回の騒動は全て自分が魂胆だと、そういうことでいいんだな?」 「はい。」 「いえっ、違います。」部屋のドアを思いっきり開けて日畑が乱入をする。 「なんだ日畑、何が違うんだ?」教員はとても疑問視する。 「だって今回の騒動は私たちから始まったことですもの。」 「どうしたお前?熱でもあんのか?」どうやら日畑が自らのことを告発するのは相当珍しいことらしい。 「(何故…あなたが?!)」湯野は小声でいう。 「(それはこいつらがうるさかったから。別に敵のリーダーであるあなたを助けたかったからじゃないわよ。そうしないとリーダーとしての信頼性が失われるんじゃないかと思って……。)」日畑も小声でいう。 「(そう……。)」 「今回は自分から告発したので帰っていいぞ。」教員は、あっさりとそう言うと湯野は生活指導室をあとにした。 「これでいいでしょ」 「ああ。」 東校舎3階会議室 グレイトハーツ本拠地 「よしっ、じゃあみんな聞いて。昨夜は少しやり過ぎたわ、けどそれはいつもやられてる分の仕返し、本当の戦いはこんなものじゃないわよ。」 「さすがは真奈りん、めげてないね。」 「それで今回はどうするのですか?」 「今回は敵を校外にある基地までおびき寄せて一気に攻撃する。『OPR、ストライクエネミーベース』 よ。」 「敵を基地におびき寄せて大丈夫なのか?」 「ええ、あそこの基地にはもうなにもないから。」 「……。あのさ、この世界ってどこまであんの?」 「わからないが、ある程度まで行くとでかい谷がある。下にも限度があるみたいだ。噂話だがそのでかい谷に落ちると退学処分となって現実世界に戻れるらしい。」 「でも、生き霊でよ……。」 「ふーん。」 「それでそのOPRはいつ決行するんだ?」 「あさってよ。」 中央校舎3階 武野は窓の外を見ながら独り言を言う。 「うーん、ゲームしてぇ。」ここにくる人はみんな手ぶらで来るためゲームが無いのだ。 「武野、そんなにゲームがしたいのか?」片崎が話しかけて来て言う。 「ああ、してぇよ。」 「そうか、なら俺についてこい」 片崎は歩き出し武野はついて行く。 前へ |次へ |
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