《MUMEI》
神より上、絶対なる者5ー1
天雷風山市、総人口約756万人、一般人は極めて少なく、学生60%、科学者30%、一般人10%
といった感じだ。
この都市は26世紀末にもともとあった臨時首都大仙台(ネオ仙台)
市をサイエンスプロダクトコーポレーション『S・P・C』(この時代で一番経済力を握っていた会社)が都市全体を買い取って作られた独立科学都市である。
街は全てが最新鋭でアンドロイドは勿論、空中監視船『アイコン』、宇宙移動用高速エレベーターなどのSFで、出てきそうなものなどが普通に観られるのだ。ちなみに、宇宙には人工衛星4機に、巨大宇宙ステーションが1基あったりもする。
この都市は6割が学生なので治安が悪そうだがその反対だ。
理由は簡単、警備が万全だからだ。
先程出てきた空中監視船『アイコン』や、宇宙にある人工衛星4機に警備アンドロイド、警備清掃ロボ『P・C・R』あとは、超能力警察『SP』、治安維持部隊『safety』、人工魔法部隊『ファントム』あとは〜っと覚え切れないほどの警備部隊が存在する。普通の警察はと言うと……いないのだ。
まぁ、これにも色々な理由がある…。
例えば、独立都市はSPCの土地だからだとか…。
そんな独立科学都市だが何故6割もの学生が街を占めるか?…。
それは先程出てきたキーワードの一部、超能力警察『超能力』や、人工魔法部隊『人工魔法』の研究材料とする為だ。
表向きには、『超能力と人工魔法でより快適な世界をつくろう』というスローガンでやっているのだが…。


「ちっ、何だってんだヨあの原丘 金慈だかって言うSPの奴、俺の触死(触れただけで死)を効かないなんてよォ。思い出しただけで腹が立つ…。
まぁでも……。(このほうがよかったのかもしんねぇな)」
金髪の少年は小声で言う。
少年はけっして名前で呼ばれる事は無いフロップとだけ呼ばれていた。
彼はこの天雷風山市で実力2位を誇る能力者だ。能力は『ゴッドパワー』ランク通常標記は大文字『S』科学者標記は『Ωβ』。
そう、彼はこの天雷風山市で一番強いと言われる超能力者 龍寡 帝弩と同系統の能力者。
同系統と言うよりバックアップと言った方がいいのだが……。
少年は今、自分の財布の中身を見て言った。
「チッ、我ながらシケた財布だ。誰かからかっぱらうかァ?」少年は当たり前の如く言った。普通に金が欲しいと思えば実体化するのに…。そこに、二人の人相が悪い奴らが通りかかる。
少年は直ぐ様そいつらに駆け寄ってなんのためらいもなくそれこそ当たり前の如く堂々と言った。
「オイ、そこの鼻垂れ糞坊主ら、10秒以内に財布を床においてここから消え失せろ」人相の悪い二人は振り返り少年を見て言った。どうやら少し年上だったらしい。
「アン?今なんつった餓鬼?」
「つうかなんだその低脳な、銃のマネでもしてるつもりかよ。」
少年は二人が何か言っているのを無視して小声で数をかぞえた。指で銃のマネをしながら。
「6…7…8…9…10。はい、時間切れ『バンッ、バンッ』」少年は銃声のマネした。
すると少年の顔に赤いドロドロの液体が付く。
みると人相の悪い奴らが地面に倒れ込んでいた。
「だから十秒以内に財布を出せって言ったのになァ、テメェらが低脳だっつうの、こんなの小学生でもわかる事なのに、さァもういっぺん幼稚園からやり直してキヤガレェ」少年がそう言うと人相の悪い奴らは餓鬼へと変異していた。
「まァ、もらったからいんだけどさァ」
何故少年はわざわざ人相の悪い奴らから金をかっぱらおうとしたのか?
別に近くには他にもいたのに…。
もっと手間をかけずにとれそうな奴が…。
多分これは少年の心の中でた絶対的な取り決めか…。
もしくはこれが少年のなりの正義なのか…。


天雷風山市は今、警備が手薄となっていた。
その理由は、世界との戦争だ。
日本がじゃなく、この天雷風山市と世界だ。
何故こうなったかというと事の発展は市で年に一度7月1日に行われる都市のお偉いさんが集まる会議からだった。
地球外との貿易、より正確には銀河連合中心星フュームーク星ゴッドスレイヤー帝国との貿易と言う世界が大きく変わる重大な選択だったのだが、会議であっさり世界に聞きもせずOkサインをだしたからだ。
戦争の事をゴッドスレイヤー帝国に相談すると、まずは自分たちで出来るだけの事をしろ。
ピンチになった時は協力しようとの事だった。

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