《MUMEI》
神より上、絶対なる者5ー3
「フハヒャハハハハやっぱオメェかァ帝弩、今日こそ殺ってやる」
「やめとけ雷夢」
「それは無理な相談だっつうの『太陽光を一カ所に、光を集めレーザービームだァ』」
天からの光はフロップがかざす手の中に集まってゆく
「『薙ぎ払エ』」
太陽光のレーザービームは帝弩の周辺もろともを塵にし、幾つものビルが崩れ、辺りは燃えている。
まるで悪夢だ……。
だが、帝弩には通用しない。
どんなレーザービームでも『無力化』と唱えるだけで無くなる。たとえ核ミサイルを1万発射ったとしても帝弩には届かない。

帝弩はまだ何もしない。
神と神の戦いは始まろうとする。

帝弩は言う。
「俺と本気で殺り合う気か?」
「ああ、オメェは絶対に送る」
フロップがそう言った瞬間、雲も無い空から雷の轟音が聞こえた。
「『落雷に御注意ってなァ』」
フロップがそう言うと空はドス黒い漆黒の雲で覆われていた。
帝弩の上を除いて…。
落雷は斜めに飛び出して帝弩を襲う。
帝弩の真上の空から赤色の月が顔を出す、すると帝弩の背中には赤い月明かりには正反対な半透明な青色の翼が生えている、幻覚ではない。
翼の数は36。
帝弩は手を開き、フロップに向けると『殺』と言った。
それから2秒後、黄金に輝く光線が帝弩の手のひらから放たれ
光線は音速を超えた速さでフロップもろとも周辺を滅した。
そこにはまだフロップの姿がある。周辺のビルは元から無かったかのように跡形も無く、全てが消え去っていた…。
「それでこそ全能の冷酷神ゼウスだァ」
「お前も姿を現せ…カオス」
そこにいたのは既に帝弩では無かった。姿が帝弩でも中身は違う…。
それは神話に登場せし全ての神を束ねる全能神『ゼウス』
「はっ、俺ともう一度殺るってか?言っとくが正面から本気で来たらお前は負ける、ゼウス」
そこにいるのもフロップでは無かった。姿がフロップの混沌と破滅、死を招く破壊神『カオス』
地上に居る人々はただ呆然と突っ立っていた。
SPやファントムの奴らすら何もできず、ただ突っ立っているのだ。

原丘 金慈は帝弩の居る第11区に向かっていたのだが…。
「ちっ、何なんだよこの見えない壁はっ!!」
第11区はゼウスとカオスにより見えない壁で隔離、閉鎖していたのだ。
「一体どうすればいい…。」

カオスとゼウスは戦っていた。
「アルテミスを使う。」
「…させるか。」

壊れかけた礼拝堂の中、一人の女が独り言を言う。
「!!…。アルテミス?!一体この街では何が起こっているのかしら。
アルテミスなんて大魔法サーラトゥルでも使用できるのは二人しかいないはずだし、それにその二人は今現在日本にはいない。
他宗教にしたってこの街に侵入したって情報は伝わってきて無い。
まさか科学技術で?どちらにせよ、この撤退しなきゃいけないときに…。
一体何処に放つ気なのかしら?まさか戦争が始まる前に全世界に奇襲を?!」

「発射だ。死ねーゼウスゥ〜」
アルテミスは放たれた。
礼拝堂にいた女は終わったと思った…。
がっ、世界は終わる事は無かった。
第11区を囲むようにはられた見えない壁に防がれたのだ。
しかし、第11区にいた者物は全て消えた。

「えっ?今のは?!
そうか、これなら」金慈は第11区が消えるのに戸惑いながらも見えない壁を破る方法を考えついた。
それは以前、金慈がゲームの主人公みたいにスキル割り振りさせられた時に帝弩からもらったセイバーである。
金慈はセイバーのボタンのようなところを押す。
すると黄金の光でできた剣が完成し、セイバーを見えない壁に振り下ろす。
見えない壁はほんの数秒間消え、金慈は再び走り出す…。

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