《MUMEI》 「…ったく、あれじゃただの実験オタクだよ。」 ぶつぶつと文句を言いながら、雅俊は特別教室棟と教室棟をつなぐ渡り廊下を歩いていた。 何かに気付いた様にも取れたが、魔法に関わる事ならすぐに教えてくれても良いだろう。 ふと見ると、閉め忘れられた窓から吹き込んだ雨で廊下がすっかり水浸しになってしまっている。 「確かに、こんな土砂降り、なんかおかしいけどさ…」 水たまりの手前で立ち止まり、もう一度近くの窓から空を見上げと、この土砂降りだと言うのに屋上の出入り口の近くに人がいるのが見えた。 「?」 屋上の出入り口は、特別教室棟の上にあるため、先ほどまでいた生物準備室からは見えなかった。 「憶測、それから可能性か―」 雅俊はそう呟くと、屋上の入り口に向かって今出てきたばかりの特別教室棟に向かって走り出した。 前へ |次へ |
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