《MUMEI》
遺言書の謎
佇むケインの後方か
ら微かに響くサルタ
ンの声。

『…ケイン!』

振り向くケインの名
を呼ぶサルタンは、
嫌がるラント修道師
を引きずりながら歩
いてくる。


『サルタン?とラン
ト修道師?なんで…
送ったはずじゃ?』

訝しげに二人を見る
ケインに目配せをし
て横を通りすぎる。

『……』『……』

サルタンの普段と違
う態度に、無言で頷
き、二人の背中を追
うケイン。

サルタン達が向かっ
た先はジェルマの部
屋だった。

『お嬢ちゃん、邪魔
するよ。』

突然の訪問に驚くジ
ェルマに軽く会釈を
して中に入るサルタ
ン、とその後ろから
腕を引きずられて入
るラント修道師。そ
して、気まずそうな
ケインが後に続く。

『さあ、坊さん。知
ってる事を全て話し
て貰おうか?』

サルタンはラント修
道師を椅子に座らせ
言った。

ジェルマとケインは
これから何が始まる
のか?見当も付かず
にただ静かに見守っ
ていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫