《MUMEI》

『えーと、そこの二
人!ちょっと手伝い
なさい!』

ラント修道師は、ケ
インとサルタンを指
差して、指示を出す


『ケインは、洗面器
に水を張って持って
来なさい、サルタン
は、ランプのカバー
を外してこちらの机
に持って来る様に』


『『……』』

命令口調のラント修
道師にムッとしなが
らも言われた通りの
物を用意した二人。

そんな二人に気を使
ってお礼を言うジェ
ルマ。

『あ、ありがとうご
ざいます、二人共』


『あ〜お嬢ちゃんは
カワイイなぁ、良い
よ、お礼なんて…ほ
っぺにチュッってして
くれるだけで…』

そう言ってジェルマ
の前に頬を差し出す
サルタン。

すかさず、ラント修
道師がジェルマを抱
き寄せ、ケインがサ
ルタンの首根っこを
掴み引っ張った。

『あー、痛タタタ…も
ぉ、お茶目な冗談じ
ゃないか〜。』

首を摩りながら呟く
サルタンを無視して
三人は謎解きを始め
た。


『さて…何が出ます
かね。ジェルマは、
水の方をお願いしま
す。私は火の方で行
きます。』

『はい、ラント修道
師。』

ジェルマは頷き、『
水濡れ厳禁』と書か
れた紙を洗面器の中
の水に浸した。

そして、ラント修道
師は『火気厳禁』と
書かれた紙を、カバ
ーを外したランプの
炎であぶり始めた。

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