《MUMEI》

『仲が良いんですね


結局、親子に押し切
られて夕御飯を頂い
た後、場所をソファ
ーに移しメインの家
庭訪問の話題に入っ
た。


『あぁ、まぁ、そう
ですね、二人暮らし
が長いですし…剛史
とは…趣味とか合い
ますし…ね。』

相模原父は、少し意
味深な笑いを浮かべ
俺の方を見た。


『趣味?』


『セ〜ンセ!』

食事の後片付けを済
ました剛史が、ソフ
ァーの後ろから俺の
首に腕を廻して抱き
着いた。

…え?!

剛史の吐息が首筋に
かかり、自分でも驚
く程、身体が揺れた


『クスッ…センセ?』

『どうかしましたか
、麻木先生?』

美形父子が俺の顔を
見詰める。


『い…いや、別に何
でも…』

…なくは無い。さっ
きから俺の身体が変
なのだ。息苦しくて
動悸がするし、なん
だか身体が熱い…。

『そうですか、でも
麻木先生、お顔が赤
いですよ?』

相模原父が、ゆっく
りと俺の頬に指先を
ツッーッと這わせた。
…ゾクリ。背筋に何か
走る。


『センセ、敏感だね


剛史が俺に抱き着い
たまま、首筋に舌を
這わせる。

『…ひゃん、止めっ
剛史、お前…』

剛史の腕を振り解こ
うとして、腕を掴む
が、何故か力が入ら
ない。

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