《MUMEI》

『なんで…力が入ら
ないんだ?』

震える手で、腕にし
がみつき弱々しく呟
く俺を喜々として見
下ろす剛史。


『センセ、ごめんね
媚薬入り御飯なんて
食べさせちゃって』


…な、に言ってる、
媚薬入り?!駄目だ
、頭がボ〜ッとして
考えられない。

俺は息苦しさに潤む
瞳で、剛史と相模原
父を交互に見た。


『あぁ、思った通り
良い顔をしますね』

いつの間に移動した
のか、俺の右隣に座
る相模原父が笑顔で
囁く。


頬を撫でていた相模
原父の手が、俺の右
手を掴み、唇へと運
ぶ。

『…んっ、やっ…』

親指、人差し指、中
指、薬指、そして小
指と、五本の指を一
本づつ、口づけ、味
わう様に口内に含み
舌を絡ませる。

相模原父の生暖かく
柔らかな舌の感触に
身体の内から沸き上
がるくすぐったい様
な変な感覚。


『あぁ…いっ、ふぁ
っ…』


な、に…コレ、気持
ち良い…かも…。

自分で気付かぬ内に
甘い声が漏れていた


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