《MUMEI》

『うわっ、センセ〜
エロッ!指感じるん
だね、よーし俺も』

そう言った剛史が、
俺の左側に陣取り左
手を掴んでパクンと
口に含んだ。

『んっ、ちょっと、
止めろ剛史…』

相模原父と同じ様に
丁寧に一本一本指を
嘗めていく。

左右の指を同時に嘗
められてゾワゾワと
した感覚が背筋を這
う。

『うっん…も、止め
…て、あぁっ…』

しつこい位に指嘗め
をする相模原父子。
俺の指は二人の唾液
でベトベトに光り、
ようやく離した唇か
ら銀糸を引いた。

指からの攻め苦から
解放され、安堵した
のも束の間、新たな
場所に二人の魔の手
が伸びる。

まるで示し合わせた
かの様に二人は俺の
左右の手首を掴んだ
まま、片方の手で、
剛史はネクタイをシュ
ルリと外し、相模原父
は、シャツのボタン
を外していく。

『や、止めて下さい
…相模原さん、なん
でこんな…』

目の前にある相模原
父の端正な横顔に問
い掛ける。すると、
相模原父は、見惚れ
てしまう程の極上の
笑顔で信じられない
答えを告げた。

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