《MUMEI》

…実際、貴方が剛史
の担任になる様に裏
から手を廻したんで
すがね、幸いに良い
協力者にも恵まれま
したし…。

相模原父は、内心で
ほくそ笑みながら、
麻木の硬くなり自己
主張し始めた胸の突
起を弄ぶ。

そう…全て計画的に
物事は進んでいた。
担任となった麻木を
自分達のテリトリー
の自宅へと招き入れ
るのは、ごく簡単な
事、何の策も必要な
い。

自らが自宅を訪れて
くれるのだから…。
『家庭訪問』として
…。なんて素晴らし
い行事なんだろう。

思わず口から笑い声
が漏れる。

『親父〜、ニヤけて
ないで、ほらっコレ
コレ〜』

剛史が、私に放り投
げて来たモノ、それ
はピンク色した小振
りな電池式のロータ
ー。

『あぁ、そうでした
ね。麻木先生の為に
用意していたのに…
忘れる所でした。』

カチリとスイッチを
入れると低い振動音
が響き手の内が震え
る。

『駄目じゃん、親父
忘れんなよな。』

そう言う剛史の手の
内にも、同じタイプ
のローターが握られ
て、麻木先生の左胸
の突起に押し付けら
れている。

『…ひぁっ、あっ…
嫌ぁ…ひっんっ』

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